Blender

【Blender】zip版のBlenderをBlender Launcherに移行する

以前に、Blenderのバージョン管理ができるツール、Blender Launcherの使い方について記事を書きました。

思ったより反響が大きく、Blenderをバージョンごとにダウンロードして使い分けている人(自分もそうでした)が結構多いんだなと思いました。

そこで、今回は今までzipでBlenderを管理していた人に向けて
アドオンやプリファレンスの設定を引き継ぎつつBlender Launcherに移行する方法を紹介します。

結論

こちらのツイートをご覧ください

手順としてまとめると、次の3ステップで完了します。

  1. Blenderのバージョンを確認する
  2. Blender Launcherの対応したフォルダにBlenderを放り込む
  3. Update to version ~~ のボタンからBlender Launcherを再起動する

本記事では、手順の説明の前に
BlenderLauncherのフォルダ構成について簡単に説明した後、
実際の移行方法を記載しています。

移行方法だけ知りたいよという方はこちらからスキップできます。

目次

  1. 結論
  2. 環境
  3. Blender Launcherのフォルダ構成
    1. daily、experimental、stable、lts?
    2. .blinfoファイルについて
  4. zipでダウンロードしたBlenderをランチャーで使いたい
    1. Blenderのバージョンを改めて確認する
    2. 対応したフォルダにBlenderを放り込む
    3. ランチャーを再起動する
    4. 設定が引き継がれているか確認
  5. まとめ

環境

OS: Windows10
メモリ: 32GB

Dependents
Blender: v2.83.5
-> 移行を検証したバージョンです

Blender Launcherのフォルダ構成

まずは、改めてBlender Launcherのフォルダ構成を確認してみます。

以下のようなフォルダ構成になっています。

  • .temp
  • custom
  • daily
  • experimental
  • stable
  • template

これは、Blender Launcherを初めて起動した時に選択する、インストールしたBlenderを格納するフォルダの中身です。
この中の、daily、stable、experimental というフォルダの中に、Blenderがインストールされていきます。

daily、experimental、stable、lts?

BlenderLauncherでは、Blenderのバージョンはいくつかの種類にカテゴライズされています。
それぞれがどのような意味なのか、簡単にみていきます。

Daily

Daily Buildの略。最新機能のベータ版公開だったり、ユーザーからフィードバックをもらうために、最新版を公開する時のバージョン。
Blenderの開発をサポートしたい人は、このバージョンをオススメします。

Experimental

新機能を実験的にリリースするためのバージョンです。Daily Buildと似ていますが、Daily Buildよりも限定的で、一部の新機能のみが追加された状態だったりします。
新機能をいち早く使ってみたい方は、このバージョンがオススメです。

Stable

stableは、日本語で「安定」という意味です。
不具合等が特になく、動作が安定しているバージョンのことを指します。
バージョン管理などが手間でなければ、このStableをオススメします。

LTS

Long Term Supportの略。
フォルダでは存在しませんが、バージョンをインストールする時に、Branchの項目によく出てくると思います。
長期的にユーザーサポートを行うバージョンを指します。
バージョンアップを頻繁にしない人は、このLTSをオススメします。

以上が、Bledner LauncherでカテゴライズされているBlenderのバージョンになります。
今回のzip形式からの移行は、Stable版のバージョン2.83.5で、検証を行いました。

全てのバージョンで動作を保証するものではないので、ご注意ください。

.blinfoファイルについて

Blenderのバージョンについては、ざっくりと理解できました。
では次に、インストールしたBlenderのフォルダも少し見てみます。

これは、Bledner Launcherでインストールしたバージョン2.92.0のフォルダ構成です。
実際は、もっとファイル数が多いのですが、長いので割愛しています。

zipでインストールしたBlenderと中身を比較して気づいたのですが、
.blinfoというファイルがあります。
これは、Blenderのビルド情報を記載しているファイルです。

ですが、このファイルは、BlenderLauncherが保持しているBlenderの情報を元に作成しているようで
このファイルを書き換えても、BlenderLauncher内で参照されることは、おそらくありません。

中身はこのように、ビルド情報をまとめたjson形式のファイルになっています。

{
  "file_version": "1.1",
  "blinfo": [{
    "branch": "stable",
    "subversion": "2.92.0",
    "build_hash": "02948a2cab44",
    "commit_time": "24-Feb-21-16:25",
    "custom_name": "",
    "is_favorite": true
  }]
}

is_favoriteなどは、Blender Launcher内で独自に使っている項目ですね。
commit_timeやbuild_hashなども記載されているようです。

機会と技術があれば、もっと中身を検証してみたいですが
今回はここまでとなります。次の節から、zip形式のBlenderをBlender Launcherに移行する説明になります。

zipでダウンロードしたBlenderをランチャーで使いたい

ここから、zipで管理していたBlenderを、BlenderLauncherに移行するための具体的な方法を紹介していきます。

Blenderのバージョンを改めて確認する

Blender Launcherのダウンロードページから、移行したいバージョンがStable / LTS / Dailyのどれに該当するか確認します。

もしくは、リリースノートからも確認できます。

stableでもdailyでも、どのバージョンをどのフォルダに入れても認識はされるようですが
バージョン管理の観点から、できればカテゴライズした方が、見やすいかと思います。

対応したフォルダにBlenderを放り込む

バージョンが確認できたら、Stable、LTS、DailyのいずれかのフォルダにBlenderフォルダを放り込んでください。

ランチャーを再起動する

ランチャー右下に「Update to version ~~」というボタンがあるので、そのボタンを押します。

BlenderLauncherの最新版がある場合は、最新版にアップデートされますが
すでに最新版を使ってる場合は、Blenderlauncherが一度終了します。

少しの間カーソルがクルクル回る場合があるので、その時は終わるまで待ちます。

その後、.exeファイルから、BlenderLauncherを再度起動します。

すると、zipで管理していたBlender 2.83.5がBlenderLauncherで認識されています!

設定が引き継がれているか確認

プリファレンスの変更と、アドオンの追加を行っていたので
その設定が引き継がれているかどうか確認してみます。

更した内容はこんな感じです。

プリファレンス

  • インターフェースを日本語に変更

アドオン

  • BoolTool (標準アドオンを有効化)
  • mmd_tools(zipからダウンロード)

アドオンについては、標準アドオンとzipからインストールしたアドオンでは、保存されるファイルパスが違うため2つ用意しました。

Blender Launcherから2.83.5を起動後にプリファレンスを確認してみた所、設定が引き継がれていることが確認できました!

以上で、Blenderのzip管理から、Blender Launcher管理への移行が完了しました。

まとめ

今回は、Blenderをzip管理している状態から、Blender Launcherへの管理
プリファレンスなどを引き継いで移行する方法を紹介しました。

書き終わった後に気づきましたが、
多分プリファレンスは、AppDataのフォルダで管理されているようで、Blender Launcherでインストールし直しても設定は引き継がれそうです。

Blender本体の方をカスタムして使っている場合には、今回紹介した方法が役立ちそうですね。
もしくは、2.7あたりからBlenderを使用している人など、zipで管理していたバージョンが多い人などには
新しくインストールしていく手間が省けるので、良いかもしれません。

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